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UIチームへのインタビュー
大型アップデートで実装の新 UI の中身とは
記載先 2014-07-03 18:44:24
UIチームへのインタビュー

アップデート14でゲーム内のいろいろなものが変更になりますが、変更になるものには常に UI が付いて回ります。ミッションを選択するにもミニマップを確認するにも、ユーザー・インターフェースがそこにあるのを当然だと考えます。DE の UI チーム、プログラマーのパブロとデザイナーのドリアンにインタビューを行い、数ヶ月前に取り掛かり始めついに来るアップデートで、 UI にどんなものが実装されるのか話を聞きました。

幸いにも、2月に UI の変更について触れた際から続いている様々な変更点について、喜んで情報を分かち合ってくれました。また Warframe 独特の UI や HUD を作成する過程でどんなことが起きるのかについても、いろいろ教えてくれました。



― UI の変更については開発チームのライブストリームでも紹介しましたが、ストリーミングを観ない人(たまには観てね!)に向けて、いつもどんなことをしているか簡単に教えてください。

ドリアン(以下「ド」):我々の仕事には大きく分けて2通りの側面があります。第一に、ユーザー体験に関わるものには二人とも関与するということ。

プレイヤーにとってのゲームのナビゲーションをできるだけ簡単にするということが、我々のゴールです。この段階では、プレイヤーからのフィードバックとスタジオ内の意見、両方に耳を傾け長い時間を割きます。同時に既存のトレンドや業界の基準を徹底的に調べ上げ、ゴールを達成するためにゲームとやり取りするのにアクセスしやすい最良の方法とはどのようなものか、最終決断しています。

第二に、我々の専門分野は別々だけど、両方ともユーザー・インターフェースの領域にあるということです。

私の側では、インターフェースの全体的な外見を担当しています。ゲーム内のいろいろな画面や各パーツの、スタイルや見た目の約束事を決めます。パブロは機能を担当しています。それらの画面や部品に命を吹き込み、実際にゲーム内で動くようにするのが仕事です。

― 2人ともずっと忙しかったと思いますが、何通りぐらいの UI を作成してきたのですか?


ド:(郷愁にふける笑い声)インターフェース全体としては、たぶんリリース以降4、5種類の異なるスタイルを作成してきたと思います。特定のパーツのことになると、機能によって全く異なります。HUD を例に挙げると、コミュニティからのフィードバックと社内の意見を汲み上げて、最終的に満足する製品に到達するまで、異なる度合いの変更を繰り返して250種類ぐらい作り上げたでしょうか。

パブロ(以下「パ」):大きな変更と小さな変更でまた異なります。アップデート7のように大型な変更の場合では、UI システムを完全に変えてしまいました。どれだけ長く使っていたとしても、もし上手く機能していなかったら変える、というアプローチを取っています。次の大型アップデートでは、それを実証します。既に熟成されてきた Warframe というゲーム内で、全く予想もしなかった多くのものが大々的に変更します。「この時点でゲーム内でこんなに大きく変わってしまうなんて」というぐらいです。まぁどちらにしろやっちゃいますけどね。UI のようなものにとって興味深い時期ですね(笑い)。

― デザインの過程ではどのような部分が楽しいのですか?

パ: 難しいですね。大抵の時は、ランダムなアイディアからスタートするのですが。意見の寄せ集めの段階もあれば、最終的に落ち着く点という段階もあるものです。例えばクブロウの場合だと、ペットにするのはいい考えだけれど、それは本当はどういう意味を持つのか。そういうことを考えるのが好きです。まずアイディアがあって、「ほら、そのアイディアが機能する具体的なバージョンはこれだよ」と提供するのが好きですね。

それから話し合いが始まって、「この部分は好きだけどここは嫌い」と言いながら前に進んだり後退したり。アイディアを分類し、大雑把なバージョンを作り上げる。これがあまりに雑なので、この中間点は好きじゃないのです(笑い)。でもだんだん好きになってきます。いったん大まかなバージョンを作り上げ合体すると、どんな感じか想像が付きます。スティーブがよく言う「搾り出すんだ」みたいに。この方法は上手くいきます。開発中にいつも楽しむ側面が2つあるのですが、アイディアがほとんどない段階からそれらをまとめて完成させた段階と。

ド: 再デザインが上手くいくよりも満足できるものがいくつかあります。プレイヤーに役立つ機能を提供でき、「ビフォー」と「アフター」を見比べて、改善された部分を見るのは気分がいいものです。本当に素晴らしい体験です。「ここが変更点で、自分たちが手掛けました。この方法で実装できて非常に喜ばしいです」という感じです。

アートの面では、Warframe の新しい見た目や外見の独自性とともにもたらされたものが、とてもエキサイティングです。みなで一緒にこの新バージョンの UI を生み出し現実のものにするジャムセッションは、とても楽しいです。


― UI のデザインはその点で常にアートと関わってきますね。

ド:そうですね。このゲームはとてもダイナミックなので。大抵のほかのゲームに比べると、変化が非常に激しい。あっという間に変更点を作り上げ、あっという間にリリースする。このような有利な点を利用することは本当に強みです。

― 好きな WARFRAME はありますか?

ド: Mag です。ヘルメットフェチなのですが、Mag のヘルメットは大好きです。自分のコレクションに加えたいから、現実に存在したらいいなと思います。

パ:私は Vauban 派です。Vortex を使うだけで全部壊してくれますから(笑い)。

― 先日の開発チームのストリーミングで、アップデートで実装される新しいプレイヤーの住居やロビー、星系マップなどについて紹介がありました。どのくらいまで進んでいるのですか?

パ: 放送ではお見せしなかった部分がたくさんあるのですが、お見せした部分はまだ製作中でした。現在ではだいぶ造り込まれてきました。母船の見た目はよくなったし、ロード画面は完全に新設したし、放送でお見せした母船とはずいぶん変わりました。当初船室はもっと大きくて座席がありましたが、この座席は取っ払ってしまいました。これは多少軋轢を生みましたが、ミッションの終わりにどのようにドアが開き自分の姿が母船でどう見えるか・・・。ミッションを完了してそこに立っている自分を見れば、「自分が脱出に使った船より大きく見えるな」と思うことでしょう。

ミッションの終わりに飛び去っていく船を見れば、サイズという点で自分が立っている船のものと一致することでしょう。その点で母船は改良されていると思います。

ド: 付け加えて言うと、ストリーミングでお見せしたコンテンツの多くは単なる容れ物だったのです。今では新しく作り直した本当にエキサイティングなゲーム内デザインが増え、我々が求めていた、作り込まれた質の高い UI をお届けできると思います。


― プレイヤーの母船の見た目や感じという点では、このようなものを創作するのは初めてですか?

パ:例えば、アーセナルやファウンドリのような各機能が単なるランダムのコンソールであり、見た目が全く一緒だったなど、当初は何度か試行錯誤しました。そのあと話し合い、実際にはそれぞれ独立した端末で独自の見た目を持つべきであるという結論に達しました。母船の部屋1室を端末にして各部屋を浮遊する台座にドッキングさせるという案も考えました。

ド: UI そのものという点では、ばく大な量の繰り返し過程を経なければなりませんでした。新しいスタイルから突き詰めるというだけでなく、2次元で世界に依存しないものからキャラクターや環境と同様に3次元の空間に共存するものへと、インターフェースを移すことによって起きる方法論の変化がその理由でもあります。

我々が直面した最も困難なチャレンジは、キャラクターが画面を目の前にしている際に、それにちゃんと向き合わせるということでした。異なるオプションをたくさん調べましたが、我々を最も興奮させ採用する結論に達したシステムは、マウスやコントローラーの位置に基づいてカメラが動くというものでした。このシステムは可能な限り最も自然体に近く、キャラクターの向こう側にディスプレイを表示することができるため、我々が求めていた、没入感と使いやすさの間のバランスが本当に満足いくものになりました。

― 既存のプレイヤーが新しく変更する UI に慣れるには、時間がかかりますか? それともこれらの新要素に移るのは簡単でしょうか。

ド: それはこのアップデートで最も大きな課題でした。Warframe を新しいプレイヤーにとって簡単にアクセスできるゲームにすると同時に、現存プレイヤーを混乱させないものにする必要がありました。完全なバランス地点を見つけ出し、長期間ゲームをプレイしているユーザーを混乱させない必要が。

そのことを念頭に、我々が作成している UI の多大な変更は、このゲームのベテランにも高いインパクトをできるだけ与えないよう設定されています。しかし同時に、初心者プレイヤーにとっても、プレイし始めたら一度にすべてをすぐ理解できるようにしています。

パ: 本当にガラッと変わってしまいますが、同時にこの変更で経験の長いプレイヤーが既に慣れている機能も分割してしまうため、彼らもあまり変化に気付かないかも知れません。ゲームをこれから新しく始めようとしているプレイヤーには、ファウンドリやMODの合成・変換機能は最初存在しないのです。ミッションを進めていくうちに、そのような機能が利用可能になっていきます。

例えば異なる機能が10種類とか12種類あるよりも、2つしかない方が理解しやすいものです。それらを熟知してから新しい機能が使えるようになる。MOD とは何たるやをその時点では既に知っているから、合成の機能を十分に使える。合成を理解してから変換の機能を使えるようになる。それぞれ上に積み重なっていくのです。経験をつんだユーザーにとってはすべてが利用可能です。使いやすくするために我々が追加した新機能を目の当たりにし、「あれ、例のアレはどこ行っちゃった?」とは言わないでしょう。

― UI のカスタマイズ化の進捗具合はいかがですか?

パ:あまり進んでいません。当然のことながら中断中です。開発チームのストリーミングでお見せしたものは、ちゃんと機能するかどうかを試すテクニカルテスト用のものでした。コントローラーでは上手くいったのですが、HUD の各パーツがシステムに統合されるには、まだまだ多くの作業が必要です。最近全然割ける時間がないのです。

― この UI アップデートで、特に自慢したい部分はありますか?


ド:新たに浮かんだスタイルとそれを消化する過程で、UI がキャラクターと同じ空間に存在するというものがありました。提示方法の質という点と、喉から手が欲しがっている没入感という点で、我々にとって大きな跳躍だったのです。我々の作り出したビジュアルの結果と前へ突き動かすようなインパクトに、非常に満足しています。

パ:私が Warframe のチームに加わった時は8人しかいませんでしたが、このチームの最初のメンバーの1人です。正直を言うと、UI のアートを見たのはこの時が初めてで、これが実際に Warframe の一部なのだと感じました。あるべき姿というものを感じました。

― UI や HUD などに関して加えた、プレイヤーが頼んではいないがたぶん本当に喜ぶだろうなと思える、最も直感的な変更点は何ですか?

パ:アップグレード画面の機能を変えようとしています。それは微細な変更ですが、本当に使いやすくなります。現在は、合成しようとすると400種類ほどのMODがあって、自分の使いたい MOD がなかなか探せません。新規ユーザーの場合、合成しようとしても「何で合成できないんだ」となっちゃうわけです。

合成できないのはそのMODが1枚しか所持していないからとかが理由でしょうが、どうやってそんなことを知ることができるか。だから例えばその場合、UI でその MOD を何枚所持しているか明確化し、やろうとしていることに必要な MOD をすぐ探し出せるようにする予定です。.

この変更で本当に気に入っているのはビルドです。Ignis と範囲攻撃能力を持った近接武器を持ち、Ember を使って感染体のミッションに行くとしましょう。ビルドで装着しているすべての MOD、外装、武器を切り替えられます。ビルドごとに、例えば「Rhino 感染体」とか「Loki 速攻」とか名前を付けられ、区別できるようにするものです。星系マップ画面にいる時にこのビルドを切り替えられるので、わざわざアーセナルに行って目的ごとに何度も切り替える必要がなくなります。

ド: 微細な変更は多数加えられ、本当に便利になります。例えば合成や変換などの機能にヘルプや説明文が追加されます。以前はそれぞれの機能が何でどう作用するか知るには、チャットにいる人に聞くか、ウィキのようなサイトやコーデックスに行って読まないとなりませんでした。その辺を鑑み、できるだけ控えめな方法で画面に直接ヒントを実装することにしました。1行の簡単な文章があることで、何が起きているのか知らないプレイヤーに多大に貢献することができるのです。

― UI デザインには Warframe 特有の問題はありますか?

ド:画面をデザインしている時に起こる主な問題として、「PC 上では機能するけどコンソールでも機能するの?」ということです。逆もまたしかり。時には非常に難しい問題であることがあり、各コンソールによって完全に異なる入力方法を使っていたり非常に異なる制約があったりします。しかしプラットフォームの違いを乗り越えてできるだけ同等の UI にしようと我々が導入した解決方法には満足しています。

パ: Warframe を実行できるシステムの多様さを見ると、頭に浮かぶすべてのシステムで共通に使える UI をデザインするというのは困難です。コンソール用には 1080p でデザインしますが、PC だと低い解像度しか持たない低機能のグラフィックカードを使っているプレイヤーが多数いるのに、すべてを読み込む必要があります。多くの拡大縮小や事前の計画が必要で、達成するのが難しくなっています。

― Warframeでは先日アンケートを行い、プレイヤーが分隊の情報を表示しているかどうかについてたずねました。ほとんどのプレイヤーはミッション中に、他プレイヤーがどうしているかを表示しておく必要性を感じているということが明らかになりました。デフォルトでこの情報を表示するようにすべきだと思いますか?

パ:デフォルトでは「オフ」の設定になっているため、好奇心からオンにしているということなのでしょうね。しかしこういうことも知られているのですが・・・現在の UI の嫌いなところは、パーティー内でどう見えるかということです。パーティーに入っている時にアーセナルをちょっとのぞきに行ってみると、一瞬表示された情報があっという間に消えてしまい、パーティーに本当にいるのかどうか分からなくなる。そのプレイヤーが本当にいるのか知りたいけど、表示が急に消えてしまって他プレイヤーの情報も消えてしまう。

だから分隊がどう見えるかを再構築し直して、他プレイヤーと一緒にいる時は表示が常に出て、永久に消えないようにしました。これはアンケートの設問にはなかったけど、アンケート結果からこの情報は必要とされると推定しました。パーティーには誰がいて、どのような状態か見える必要があると。

ド:ずっと我々が考えていたことがこれで絶対だと思えるようになりました。ゲームの社交的な面を非常に重要視すべきだということと、最前線を走るチームメイトの存在を知ることが Warframe 内での体験をより高めるのだと。

― 将来 UI のデザインに関わりたい人へ何かアドバイスを。

パ: うわ、それはちょっと難しい質問だ(笑い)。

ド:ハハ、辛抱強く、たくさん描くこと。

パ:デザインの筋肉をしなやかに保ついいエクササイズは、好きなコンソール用ゲームを選び、PC 用への移行を試してみることです。PC からコンソールへも移行してみて、頭の中で大変換しどうやったら機能するか探り出すことです。もし目を閉じて何かアイディアが浮かぶようなら、コントローラーを握り締め特定の機能をいじる自分自身を想像してみてください。非常に大事なことです。

ド: アート側のいいエクササイズとして、自分が大好きなアートやデザインを集めて、自分に制約を課し、想像上のゲーム用の擬似画面セットを創作することが挙げられます。集めたものを使って、それに触発されて出てくる独自のデザインを創作してください。

このエクササイズで、アートを超えたものを考える必要があることが分かるでしょう。デザインの技術だけでなく、ゲームの機能に関して分析的に考える能力を上げるよい機会になります。



Warframe のデザインに関してなくてはならない部分を生み出すことがどんな感じか、そしてアップデート14で実装される Warframe のわくわくする新しい側面を垣間見て、楽しんでいただけましたでしょうか。エキサイティングな新しい機能について、また Warframe を開発・発展し続けるのにどんなことが必要か時間を割いて貴重な話を聞かせてくれ、パブロとドリアンの二人には感謝したいと思います。